FX自動売買のやり方(楽天証券・無料EA)

MT4というシステムトレード用ソフトを使用した、FX自動売買の方法について説明する。本記事では楽天証券の口座で無料EAを使用して取引を行うことを想定している。

自動売買とは?

自動売買とはその字の通り、FXの売買をシステムが自動で行うことである。自動売買を実現させるには、MT4やMT5というソフトを使用することが一般的である。(証券会社が独自にツールを出しているものもある。)MT4では証券会社の口座にログイン後、EA(エキスパートアドバイザ)というものを稼働させ、このEAが自動売買を行う。EAは独自に開発することもできるが、ネット上で配布しているものもある。ネット上で配布されているEAを使えば、特に苦労もなく自動売買を実現できる。

本記事では無料のEAをインストールし、パラメータ調整を行い、自動売買を稼働させるところまでを説明する。

無料EAについて

EAの中には、無料で配布しているが特定の証券会社の口座でしか使用できないものがある。これは、無料で使用させてあげる代わりに、開発者はスプレッドで報酬を受け取っているためであり、報酬を受け取れる証券会社のみでしか使用できない。今回は楽天証券で稼働させることを目的とするため、そのようなEAは使用せず、完全に無料のものを使用する。

口座の開設

まずはFXの口座開設を行う。まずはデモトレードだけという場合も、デモ口座の開設が必要。

www.rakuten-sec.co.jp

MT4のインストール

次にMT4をインストールする。見つけづらいが以下のページからダウンロードできる。

www.rakuten-sec.co.jp

MT4の起動・口座のログイン・チャートの表示

MT4を起動し、口座へログインし、好きな通貨ペアのチャートを表示する。ここのやり方はいろんなサイトで紹介されているので省略。

無料EAのインストール

無料EAを公開しているところはいくつかあるが、今回は最もメジャーなMQL5からEAをダウンロードする。MQL5の無料EAのページは以下。

www.mql5.com

今回は以下の「Dark Venus」というEAを使用する。左の「ダウンロード」というボタンを押すと、MT4が起動し、Dark venusがインストールされる。

www.mql5.com

Dark Venusとは?

Dark Venusとは以下のようなEAである。

  • インディケータ:ボリンジャー バンドに基づく
    • 通貨ペア:EURUSD, GBPUSD, AUDUSD and USDCAD
    • 期間:M5, M15
  • 戦略:マーチンゲール

インディケータとは相場を判断し、売買を行うか判断するための基準である。これが正しいほど勝率が上がり、リスクも下がる。大抵は通貨ペアや期間に最適化されているため、指定されている通貨ペアで使用すべきではある。(Dark venusはほかの通貨ペアでも行けんじゃない?と書いてある) 戦略とはどのように売買を行うかである。FXは相場を読むことは難しく、誤ったポジションをとることは珍しくない。そこで重要となるのが、どう売買をすれば利益が出るかである。マーチンゲールは予測と逆方向に動いた場合に、倍の値段でナンピン買いをし、損益分岐点を今のレートに近づける方法である。通貨レートは大きな相場でない限り、ある程度の幅で振動する、という考えがあるため、マーチンゲールは有効な手段である。ただし倍々で買っていくためリスクも上がるため、適切な設定をしていないとすぐに破綻する可能性がある。

対応している通貨ペア、スプレッドを考慮して、以下の設定で行う。期間は短いほうが取引回数が増えるため、リスクが下がる。

  • 通貨ペア:EURUSD
  • 期間:M5

EAの設定

  1. EURUSDのチャートを表示する。
  2. EURUSDのチャートを選択した状態で、ナビゲータウィンドウのDark venusを右クリックし、チャートに表示を押す。これで以下のようなチャートが表示されればOK。

www.youtube.com

EAのパラメータ設定

このまま自動売買を起動すると、際限なくナンピン買いしすぐに破綻するので、リスク回避のための設定を行う。チャートを右クリックし、エキスパートアドバイザ→設定で設定ウィンドウを開く。項目は以下。

  • Lots:取引開始のロット数。0.01か0.02にしておく。
  • MaxBuyOrders、MaxSellOrders:買い・売りのナンピン買いをする最大回数。4くらいが安全。
  • Monetary Stop Loss:どれだけ損失が発生したら、取引を止めるか。これは個人の裁量によるが、あまりにも低いと損切りを繰り返して儲けが出ないので、ある程度大きくする。(Enable Monetary Stop Loss、Stop EA after Monetary LossがTrueの場合のみ有効)
  • Enable Monetary Stop Loss:指定しただけ損失が発生した場合、ポジションをクローズする。(EAは止めない)Trueにする。
  • Stop EA after Monetary Loss:指定しただけ損失が発生した場合、EAを停止する。Trueにする。

上記を設定しておけば、ナンピン買いの回数が限定されるため、大きな相場があってもすぐに退場にならず、最大の損失を設定しておくことで、万が一損失が大きくなっても、EAは自動で止まってくれる。

注意点としては、MaxBuyOrders、MaxSellOrders、Monetary Stop Lossをあまりにもリスクを取らない数値にすると、儲けが出ないので、バックテストで適切な数値を決めること。 また、設定に誤りがないよう、フォワードテストを行うこと。(ちゃんと停止してくれるかは、Monetary Stop Lossを1にしてテストすればいい)

自動売買の起動

上の「自動売買」と書いてあるボタンを押して自動売買を起動する。1時間たっても取引が行われない場合は、何かおかしいので期間等見直ししたほうがいい。